一泉同窓会

　一中56期・泉丘２期（未申会）は北陸新幹線の開業を祝って６月10日、湯涌温泉かなや旅館青巒荘（せいらんそう）で同窓会を開いた。
　未申会は太平洋戦争末期の昭和19年に旧制金沢一中・一高女・二高女などに入学、翌20年の敗戦、同23年、24年と二度にわたる学制改革と離合を余儀なくされ、落ち着いた環境での十分な中等教育を受けられなかった世代で、しかも大戦末期・敗戦による価値観の大転換、アメリカの占領軍による屈辱的な統治下、激動と貧困と思想的な大混乱の中であの校舎（現泉丘高校）で兎に角、一年でも高校生活を共有した仲間を束ねたユニークな同期会。従ってこの会で初めて知り合った仲間も多く、40代、50代には「鍔甚」や「白雲楼」を会場に頻繁に同期会を重ね、昭和54年には卒業30周年記念大会を挙行、記念誌を発行した。そのタイトルから会名を未申会と命名した。
　その後、還暦、古希、喜寿、傘寿と記念の節目ごとに山中、湯涌、下呂温泉などで旧交を温めてきたが、80歳前後から物故者が目立ち始め参加者が激減、今回は総勢15名と言うこじんまりとした同期会になった＝写真＝。それだけに感慨深い、和気あいあいのにぎやかな楽しい会だった。