被災地医療施設支援プロジェクト

石巻市立病院仮診療所 眼科医療ドーム建設贈呈式出席報告


一泉同窓会会長 清 水 義 博


 2011年7月4日(月)朝9時40分、プロジェクト・リーダー堀誠氏(泉丘26期)が運転する車に、プロジェクト・メンバー寺崎悠真氏(泉丘49期)と共に乗り贈呈式が行われる医療ドーム建設現場(石巻市日和が丘1丁目5−6)に向かいました。
 私が眼にした被災地石巻の状況は、初めて眼にした私にとってはとても言葉にはならず、被災された皆さんのことを思うと軽々に言葉に出来ない気持ちに支配されました。
 交差点の赤信号で止まったそんな私たちの前を、自動車学校の路上教習の車が過ぎて行きます。寺崎氏が発した、『日常らしさが戻って来ているのですネー』の一言は、今の私と共通する失われた現実の大きさと日常性の溝を埋め、今を受け入れるために発せられたように聞こえました。
 石巻の人たちが、落ち着いた気持ちを取り戻し、石巻らしく、一歩、一歩、一つひとつ、復興に向けて確実に動き出すには、時間が必要です。その為には、日常生活において今現在、今すぐ必要としている事は、仮設状態でも実現し、そのことで生まれる時間の中でゆっくり思考することが必要なのではないかと感じながら贈呈式の行われる現場に足を踏み入れました。
 眼科医療ドームを贈呈させて頂いた石巻市亀山紘市長は、避難所で一日外に出る事無く過ごされる高齢者の皆さんのことを心配され、ドームハウスを共同浴場施設として使えないかと熱心に、プロジェクト・リーダーの堀氏に質問され、当初15分と言われていた時間を遥かに越える1時間半、現場に留まられました。避難所から一日一回は外出する機会としての入浴、入浴施設でのコミュニケーション、これらが避難所生活の高齢者の皆さんに潤いを与えると市長に喜んで頂き、次に繋がる感触を得ることが出来た贈呈式となりました。
 また、地元を中心として報道関係者の関心も高く、多くの報道機関から取材、インタビューを受けました。彼らは、今回のプロジェクトが同じ学校の先輩、後輩である同窓会が主体であることに興味を惹かれたようで、かつての藩校のような絆の大きさに驚嘆したようでした。一中、泉丘の個性を尊重する教育は、金沢という郷土が持つ地域力と共に、大切にしなければならない得難いものであることを再認識し現場を後にしました。
 今回のプロジェクトにご協力頂きました皆さまに心から感謝申し上げますと共に、今後ともご協力賜りますことをお願いし報告とさせて頂きます。